如是我我聞

仏教書、お聴聞の記録をつけています。

味わいの違う三冊(土井紀明)

  気が付いたら、土井 紀明師の著作を3冊読んでいた。味わいが違うので、同一作者!?と思ってしまう。それくらい著者の守備範囲が広いのだろう。

真宗教学の諸問題 (響流選書)

真宗教学の諸問題 (響流選書)

 

 ちょっと本を読みだした自分がスッキリしないところが、この本の問題点とリンクして、非常にわかりやすい。浄土真宗の中にいる人の問題提起だが、外から見ている人間と視点に違和感がない。

 


 『念仏を人にお勧めしようという情熱が起こらない』『聞妙の一念に「弥陀とのであい」が反復されてくるのが信相続』など、書きにくい問題点(でもそうだろうなというもの)一般人にもわかりやすかったし、自分がもやもやしたことを言い換えてくれているところが非常によかった。もう少し勉強してから、もう一度読み返してみたいと思う。

 

松並松五郎念佛語録 (響流選書)

松並松五郎念佛語録 (響流選書)

 

 こちらは土井師編集。妙好人 松並松五郎氏語録。

 非常に信仰の深い方の言葉。嫌いじゃない。自分の祖母が念仏の人だったので、こういうのはいいなと思ってしまう。また、詩的に表現されているものは、仏教用語を用いずとも、そのエッセンスを多くの人たちの心に浸透させる力があると思う。ただし、同様の内容が重複していることもあり、最後まで読んでいくと、ちょっと食傷気味になるかな。でもこの方の信仰はすごいなと思う。
 戦争時の体験の話に関しても、とある人の人生の物語として読ませていただく価値はあると思う。

 

佛に遇うまで (響流選書)

佛に遇うまで (響流選書)

 

 自らの人生を幼少期から振り返り、真宗の道に入りながらも迷い、様々な人と出逢って変わっていく著者の記録。
 一見すると、ひたすらあったことと、その時に思っていたことを書いてあるだけのように見えるが、これが一つ一つの出逢いに対して、著者がひとりひとりを思い出しながら、出逢いに感謝して綴った著書であると考えると、また違った趣を持って捉えることができると感じた。
 自分も著者の年齢になったときに、このようにして自分の人生で触れ合った人たちのことを思い出し、感謝の気持ちで振り返ることができたらとふと思った。
 お寺の跡継ぎではないところから仏道に入られる方は、やはりそういうお導きがあるものなのだという事も感じた。個人的に心に残る一冊だ。