如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

寺族と非寺族ってマリアナ海溝より深いなにかがあるのか…

 

ニセ坊主: 僧伽をおもう―本願寺維持財団と真宗大谷派 (響流選書)

ニセ坊主: 僧伽をおもう―本願寺維持財団と真宗大谷派 (響流選書)

 

  タイトルから、何某かの暴露本かと思ったが、寺出身でない著者が仏教とかかわりを持ち、やがて僧侶になっていくという半生記であった。血脈重視の浄土真宗で寺出身でなくとも僧侶になった、なるようになったと言った方がいいのだろうか、著者の内面の吐露は、僧侶という立場ではなく、一人の人間の告白として読みごたえがあった。

 

 Twitter見ていても、寺族、非寺族がどうのという話を見かけるので、宗派を越えて、そこはいろいろあるのだと推測する。最近知り合った僧侶の方には、好きになった人が寺の娘でお婿にという方や、結婚したけど嫁に寺の仕事はしてもらっていないという方も。こうあるべき論があるのかもしれないが、社会もビジネスマンは転勤族が増え、地方は人口減などどんどん変わってきている。若い世代は、これからこういう変化に柔軟に対応していくのだろうと思う。


 後半、著者の仏教観のようなものも入ってきていたが、これは別にして、半生記だけでまとめてもよかったのではないかなと思う。仏教関連書とは別として面白いだけに、仏教観の話がついでになってしまって、ちょっと残念。それはそれで別で本にされたらいいと思った。