ユングが気になって、全体を理解するのにお薦めとユングマニアのサイトに書いてあったので購入。
集合的無意識、原型などの基本的な意味、ユングの人生、周囲に与えた影響がわかった。図解がいい。
これだけでは詳しいことは全くわからない。わかった気になってはいけない。
ここからユングの著作に入るにはいい入門書である。
一回読んで腹に落ちなかったので、もう一回。
集合的無意識と、阿頼耶識の共通点を考えるために読んだんだけど、ユングのさりげない例えとか、症例の紹介が面白くてたまらない。
『誰しも内に、罪人と天才と聖人の何がしかをもっている』というのは、人間のあり方を上手く表現しているなあ。人間って、みんなが少しずつ狂っているものであるという表現をした人もいたけど。
女性患者が、ユングを恋人として頼ってしまうという症例に関しては、もう、なにその客観的な表現は…。最終的に離れて行った女性への未練の裏返しなのかとも勘ぐってしまう。
集合的無意識と個人的意識の間で曼荼羅の要素が出てきたのも面白い。人種を超えて共通するものを人間が持っている可能性というのは考える楽しさを与えてくれる。
個人的には、この本を読んで、人格が変わる瞬間というのに興味を持った。自分にもこういう瞬間が訪れるかと想像して、楽しむ。