佐々木閑氏の本を進められたので、Unlimitedでダウンロードしていた。今はUnlimitedから外れているようだ。
この本では、佐々木氏と受講者の質疑応答形式をとっており、Man to Manの講義を受けているような感じで進む。そこがとても読みやすい。また、受講者の質問が、よくわからない人がしたくなるような良質の質問なのでとてもいい。
「釈迦の仏教」と「大乗仏教」のちがいの一番端的なまとめはここであろうか。
「釈迦の仏教」が自己鍛錬によって煩悩を消そうと考えたのに対し、大乗仏教では外部に私たちを助けてくれる超越者や、あるいは不思議なパワーが存在すると想定して、自分の力ではなく「外部の力」を救いの拠り所と考えました。
ここから「般若経」、「法華経」、浄土宗、「華厳経」・密教と解説が続く。浄土真宗に関しては浄土宗の中で語られている。
大乗非仏説に関しての見方、宗教の存在意義など、佐々木氏の見方が非常に客観的で新鮮に感じる。それは単に真宗の本を読み過ぎなだけなのかもしれないが。
なんとなく・・・なんとなくだけど、佐々木氏は大乗仏教にはあんまり愛情がない?(←微妙なニュアンス)様な気がする。客観性が極まったからなのか・・・。
ともかく、「釈迦の仏教」から「大乗仏教」の発生経緯とこれからについて、ざっと見ることが出来る一冊である。
以前紹介した中村元氏の『バウッダ』よりライトで大乗仏教のボリューム多め。とりあえず大乗仏教をという場合は、この本を読まれてもいいかもしれない。
◆中村元氏の『バウッダ』。詳しい方をご希望ならこちらがお薦め。