ご縁があって読んだ本。
自分にはとても難しかったので、ゆっくり読んだ。大事なことが書かれており、これは他であまり目にしない事であるということはわかった。全部理解したわけではないが、今の自分がとても惹かれたところを書き留めておきたい。
浄土とは、単に向うの方にあるユートピア・夢幻郷・理想郷でなくして、現に衆生の迷妄が浄化せられている歴史的事実である。
阿弥陀経』に、「阿弥陀仏が現に浄土に在しまして説法している。今現在説法」と説かれているのは、浄土とは、阿弥陀仏が現に浄化するはたらきをしていられる。今現在説法であるという動的なあり方であるという意味である。
浄土というものが、どういう位置づけなのかと言うことをちょっと考えさせられることがあった。その答えというか、自分が考えるヒントがここにあったような気がした。
はたらき。浄土ははたらきそのもの。阿弥陀仏が浄化するはたらき。
『お浄土で会える』
そのお浄土ってなんだろう。仏国土。でも一切平等の世界。
還相回向の事を考えたら、”お浄土”に往ったとしてとどまっているはずはない。
そういうことを考えながら読んだ。そうすると、この本の空と唯識を織り交ぜた論理展開にぐいぐい引き込まれた。唯識と真宗の関係性に関してやはり知っていると深さが違うというのは確信した。
こういう視点で考えられている本を読んだことがなかった。考えたい。もう少し経ってから読み直す。