光慶寺仏教講座 正信念仏偈(16)「貪愛瞋憎之雲霧」瓜生崇師
真如の世界から言葉の世界で迷うわたしに「南無阿弥陀仏」という名でわたしを目覚ます。わたしを貫いて消えてくる。無明が破れる。
30年前に一緒に親鸞聖人の教えを聞いていた人たちが、法座で再会されたお話。
「一度聞いた南無阿弥陀仏は抜けないんだね」
たくさんの人が聞きに来て、また去っていた。でも、また帰ってくる人がいた。
わたしに南無阿弥陀仏が届いたという事実は退転しない。
どれだけ煩悩の雲が覆うとも、変わることはない。
何度も繰り返される、「わたしに南無阿弥陀仏が届いたという事実」。何度も何度も聞くわたしに入ってくる。
そして、煩悩(言葉に迷う)ことから逃れられないから煩悩(言葉)によって目覚ました阿弥陀仏。
安田理深師の「不安は如来である」という言葉の深さがじわじわ感じられる。
◆瓜生師の正信偈シリーズ