『青年と死』 芥川龍之介
龍樹に関係する物語が芥川龍之介によって書かれている友人に教えてもらったので青空文庫で読んだ。
なんとなく自分の知っている龍樹伝のイメージと違っていたのだが、調べてみると、『今昔物語集』の巻4第24話 龍樹俗時作隠形薬語 が元になっているらしい。これをモチーフに芥川龍之介の死生観が表されているという感じがする。なので龍樹からは離れて読んだ方がいいかなと。
「男」は「死」で「死」を忘れたものが「死」を呼び寄せて死んだB。Bは快楽により死を忘れた。そしてBの屍体は傷ついていたと最期あるのでこれはAの中の出来事ではないか。
Aは「死」を忘れなかった。だからこそ「生」きられた。
最後「男」とAの会話はかわる。「第三の声」と「Aの声」になる。そして「男」=「第三の声」について「Aの声」が、「お前の顔がだんだん若くなってゆくのが見える」これは何を意味しているんだろう。
・「生」と「死」は共にあるから、Aが見た「男」の顔のは死ぬときのAの顔。
・「死」は本来のAの寿命で死ぬときの年齢のAの顔だったとして、若くなっていると言うことは、Aの死期が若い頃に変わったのでは。
・お互いが声になったのは、心の中の会話のようになった。ひとつになった。
・「生」と「死」は共に歩み出した=その後の龍樹
以上、妄想したこと。
というような感想。書き留めておく。
それにしても「死」を忘れない者は「生」きられるという話なのに、その後の芥川は…と如何しても思ってしまう。