如是我我聞

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本光寺 歎異抄を読む(15)(瓜生崇師)  

2021年12月13日(月)19:30~21:00

『歎異抄を読む』 第二条 本光寺  

shinshuhouwa.info

 「往生極楽の道を聞きに来たんだろう?」

 親鸞聖人が布教していた当時の関東の状況。親鸞聖人と弁円の話から。自治体の公式HPだからリンクしてもいいかな。こんな話。

www.city.hitachiomiya.lg.jp

・日蓮が「念仏を称えると地獄に落ちる」という。本当はどうしたらいいのか。20年親鸞聖人の教えを聞いてきた人たちがわからなくなってくる。

自分が本当に救われると思っていないわたし。ああ、自分のことだ。

・聞きに来る人も、話しをする人も、親鸞聖人の話ですくわれていくと思っていない。こんなもん仏教じゃないという人がいた。悩み相談になっている仏教。新たな指針を与えられて生きていくというような感じになっているということを指摘している。

・ただ南無阿弥陀仏では足りないとおもうわたし。実感がない。南無阿弥陀仏を大事にして+なにかをつける。

「しかるに念仏よりほかに往生のみちをも存知し、また法文等をもしりたるらんと、こころにくくおぼしめしておわしましてはんべらんは、おおきなるあやまりなり」(『歎異抄』第二条【真宗聖典】626頁)

 

 ここを聞いて、法話を聞き始めた頃の気持ちに戻ってしまった。上手くいえないけれども、リセットボタンを押されたように、おっかなびっくり聞いていたころにガッと引き戻されてしまった。なんともいえない。ほんとうに。

 「どうして自分は法話を聞くのか」ということがわからない気持ちになった。なんでなんだろう。どうして時間があれば聞くのだろう。まったく回数を誇っている気持ちはない。なんなら未だにお聴聞をしていることはリアルの世界ではいいたいとも思わない。自分の中のことだから。

 聞き始めた頃の気持ちというのは、「それはどうしてなのだろう。それは本当なのだろうか」というなんでなんで?の気持ち。今まで聞いてきて、本も読んできて知識も増えてきた。お話聞いたら、「ああ、あそこの話だな」とか、「こういう話だな」という理解も出来ていた。はずなのだが、一気にそれが失われた感じなのだ。自分でも戸惑っている。

 コロナになってから、YouTubeで法話が聞けることが多いし、このブログももう本のレビューだけにしようと決めた。それなのにこの法話を聞いて、自分でも意味がわからないけど聞き始めた頃の気持ちに戻ってしまった。なんでだろう。自分の記録のために、自分のために法話を聞いたら書き残していこうと思う。

 

「ただ念仏して、弥陀にたすけられまいらすべしと、よきひとのおおせをかぶりて、信ずるほかに別の子細なきなり。」(『歎異抄』第二条【真宗聖典】627頁)

 

・法然上人が「南無阿弥陀仏と称えて阿弥陀さんにすくってもらいなさい」とこう教えてくれたから、わたしは信じているだけだ。

 

 自分はどうして聞いているのだろうか。法話を聞いてなにかいいことがあるのだろうか。具体的になんだろう。聞きたい。心の奥底では、法話を聞いたら何か得られると思っているのかもしれない。自分の知識欲を満足させたいのか。いまやそれではないと思う。それだったら同じ話を聞いたら「これはもう聞いたからいい」となるはず。自分は深く自分を見るのが怖い。でも多分法話を聞く、足を向かせるものが見ないといけない自分自身なのだろうか。

 

・よきひと=善友=師友 『観無量寿経』の下品下生のところで五逆十悪を作る悪人は、死の間際に「善知識」に念仏をすすめられるができない。なぜか「善知識」は「善友」になって「一緒に無量寿仏の名を称えよう」という。

 

 ああ、同じところにたつ「友」なのだ。この法話は「友」の話なのだ。善知識の話ではないのだ。先生じゃない。できるものができないものに教えるんじゃない。

 南無阿弥陀仏を称えるしかない身であると思っている法然上人が、念仏しかないといっているから称えるという親鸞聖人。どうしようないものがどうしようもないと知らされてすすめるのが念仏。

 だから自分は聞きたいのだ。「一緒に南無阿弥陀仏を称えよう」といわれているのはわたしなのだ。善友の話なのだ。どっちが偉くてどっちが悪いもない。同じところにいるんだ。友に語りかけられ、わからないし、苦しみの中にいる自分がそれに応える。一緒に称えてくれるならば称えてみようか。そんな初めての気持ち。

 自分はこの瞬間を聞いているのかもしれない。聞き始めの頃にもどった自分はこの場に善友を感じているのだ。善友の話を聞いているのだ。書いている側から陳腐になるけれども、書き残しておかなければ。

 

◆『沈黙』 これ、善友の話でもあると今思った。

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◆本光寺 歎異抄を読む(過去レビュー)

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