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『鎌倉仏教への道』/菊地大樹

『鎌倉仏教への道』 菊地大樹 講談社選書メチエ

 明恵と法然の本も読んだのでこちらの積dleも読む。

 鎌倉仏教と呼ばれる現在も残る仏教各宗派の起こりについて書いてあるのかと思ったら、フォーカスされているのは「実践」。真宗的にはちょっとちがうかなあと思って読み始めたのだが…。

 びっくりした。法然上人も親鸞聖人も夢告の体験があるのは知っていたけれども、この夢告ということ自体が、教団内の信心の確かめみたいなこととして存在しているわけではなくて、当時の政治にも影響があるほど「証(あかし)」として認められていたとは。。。あの人の「夢告」光だったらしいぜみたいなそういうのが伝わりあうネットワークの存在が感じられるほどのものだったそうな。

 当時の功徳を積む写経、親鸞聖人の得度を行った慈円、武士から専修念仏の道に行った熊谷直実(ああ、そうだ。この人は平敦盛と一騎打ちした人)のエピソードは胸熱なのである。今自分の中で「求道心」ということとすくいについて考えており、とても興味深く読ませてもらった。

 読み物として面白いし、当時の宗教的価値感を垣間見ることが出来る。堅苦しくなく読める一冊。

 

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