『浄土三部経』 大角修 角川ソフィア文庫
どういう立場で書かれているのかが分からなかったけど、大分昔の積dle。
著者の大角氏は、信仰というよりは研究対象としての立ち位置かと感じる。仏教を伝えてきたそれぞれの時代の人を文学、史学的視点から考察したコラムはなかなか読み応えがあって面白い。
訳自体は漢訳のものを現代語訳したものだが、真宗どっぷりではないフラットな現代語訳というのを読むと、これが正しい読み方だという視点から、こう読むことも出来るという風に気がつかされることもあって新鮮だった。
自分としては、『無量寿経』下巻にて悪について語られるところは、淡々とその性質を見せられる=今の自分に引き当てやすいというのがあって結構グサッときたのであった。これは古典を読んでいるときにはない感触かもしれない。
とにかく、コラムは面白いので読んでみて欲しい!
◆むずかしい金子大榮『浄土三部経』