『道徳の系譜学』 ニーチェ (著), 中山 元 (翻訳) 光文社古典新訳文庫
『善悪の彼岸』に苦戦したが、とりあえず論文形式のこの本も読んだ。
論文形式であるが故に『善悪の彼岸』よりは自分は理解しやすかった。結構女性に関する偏ったものの見方をお持ちなのだが、ショーペンハウアーより偏ってる気がする
(個人の感想です)。
人間は何も意欲しないよりは、むしろ虚無を意欲することを望むものである…。
「わたしは苦しんでいる。そしてそれは誰かのせいでなければならないはずだ」ーこれがすべての病める羊の考えることである。
この後に羊の牧者である禁欲的な司牧者が、「誰かというのはお前自身のことなのだ。お前がこうなったのは、お前だけのせいなのだ」とルサンチマンの方向を転換するとある。鼓舞しているのね。ようやくニーチェの「意図」がわかってきた感じがする。わからないなりにも『善悪の彼岸』で得たイメージを土台にすると確かに理解は進む。それでも自分にとっては読みにくい...。
ときにギラッとしたものを放ってくる文章なのだけれども。
驚いたことに、この後直ぐに『ツアラトゥストラはこう言った』(岩波文庫)を読み始めたら、めちゃめちゃ面白い。
◆ニーチェ
◆ニーチェが嫌いなショーペンハウアー