『教行信証の基礎講座』 蓬茨祖運 東本願寺
『教行信証』関連本でおすすめいただいた。『教行信証』の解説本かと思いきや、こちらは著者蓬茨祖運師がご自身で読まれたことの受けとめたことを教/行/信/証 の巻ごとに章立てて書かれているもの。非常にやさしく読める。どちらかというと『教行信証』を読むためというより、親鸞聖人の教えの入り口に立つために読む本という感じがする。だからお聴聞し始めの時にお薦めいただいたのだなと納得。
欲を言うと真仏土巻と化身土巻が一番最後にちょっとだけ出ている感じでこれももっとお聞きしたいところだなと。
気になったところをひとつ。
『ここに、われわれの現実世界の真相があるということをあきらかにし、その現実を否定するのが真実の信心であります。たとえていえば、片方の足で踏んでいるところのをけると、その力で前進するのですが、真実の否定はわれわれの現実をふまえ、それを蹴っていく力であります。つまり、否定していく力が、そのままわれわれの生きていく力になるのであります。そうした一筋の道をわれわれに知らしめるのが、親鸞が真実証をあきらかにせられた意義であり、それによって真実信が成り立ち、またその真実信が真実証を証明することにもなるのであります。』
破られて、それが生きていく力になる。
◆教行信証の本