『誓いの精神史 中世ヨーロッパの〈ことば〉と〈こころ〉』岩波敦子
講談社選書メチエ
知的好奇心を刺激されまくった一冊!
しらなかった。西洋において「誓い」というのがこんなに重たいものだったとは。誓いが正しいかどうかでいいとか悪いとか二の次っちゅうのが自分には最初意味不明だったがだんだん理解するにつれ、これ知ってて中性物の映画とか小説とか読むのと知らないで読むのとでは全然面白さが違うのではないか!?と気がつく。すごいこんな価値観があったとは。現代にだってこういうことがまだ残っているだろう。
自分は真宗だから三帰依文とか読むけど、しかも聖典持って、これは西洋的なことからしたらむちゃくちゃ重いことなんだな・・・。などと自分の周りのことに引き当てていろいろ考えてみるのだった。
『最後の決闘』は1368年で百年戦争から戻ったばかりのノルマン騎士ジャン・ド・カルージュと旧友ジャック・ル・グリの対決。カルージュの妻がジャック・ル・グリに妊娠させられたと。。。それ以外にも絡み合う財産の問題。人間のなんでこうなったんだという嘆きと怒りと「誓い」が交錯して悲劇となる。この話は大変興味深かった。
そしてジャンヌ・ダルクが火刑になったのもまた「誓い」を破ったからであった。これまた意外。
面白く読めるし、この価値観を知って西洋文化を見るとより本当に描き出したい側面の理解が深まると思う。
◆とりあえず面白い本