『本願海流』 大峯顯 本願寺出版 (絶版かな)
友だちに借りて読んだ。
今まで読んだ本でも大峯師の「本願海流」という表現に惹きつけられていて、去来現(時間と存在の表現)と「煩悩のこほりとけ」と深さ、そして空との関係とかいろいろ混ざっていいのだ。
大峯師の本は、哲学的だが俳人だからだろうか、情動的でないのにすっと入って広がる言葉で綴られている気がする。ただ、自分の中でそこまでは思えないなあということがあり、たまに立ち止まって考えさせられる。これもいいことなのかもしれない。書いてあることすべてすごい!そのとおり!と思わないで自分で考えて読めるのかもしれない。
廻向って何ですかと言われたら、それは如来様からいただくものだと説明しているけれども、そんな説明ぐらいで廻向という言葉が本当に生きた言葉となるかどうか。
(中略)世界の中の全てが、私という一点に向かって向こうから集まってきているということが、廻向ということの本当の意味だと思います。
そうそうわかんないよねえ・・・と油断させておいてどーーーん!みたいなやつの連発なのである。
25年~30年前のお話をまとめた本である。若干時代が違うなあとチクチクするところもあるが、それはそのときの場の話。なんとなく大峯先生のお話は昔と晩年で違っている気がする。まあ普通そんなものか。
手に入るようであれば是非。
◆大峯師の本