如是我我聞

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会ってみたい・・・『明恵 夢を生きる』河合隼雄

『明恵 夢を生きる』河合隼雄 講談社+α文庫

 割と明恵上人が好きでこちらもKindle Unlimitedであったので思わず読んでしまった。

 この河合隼雄氏の受け取った明恵は高潔峻厳で超変わり者の求道者というよりは、ユーモアに溢れて仏道を夢という自分に起る現象を通しても徹底的に見つめていった人だということがわかる。その中には清濁を合わせのむとかいうことでお茶を濁して生きている自分とはまったく違い、どこまでも清濁を見続けていた人という感じがある。

 性というものに引っぱられるわたし。それを飛び越えた真如のものとの出遇い。西洋の神話系に出てくる女性の表現に関する河合氏の解説がいいのだけど、この逆方向にいいって一足飛びというのが妙にしっくりきた。

 そうそう、明恵上人が大事にされた善妙という女性について調べなければならない。メモ。

 夢。じつは自分は夢の話しを他人にしたらドン引きされること間違いなしの悪夢専門なのであった。むしろ悪夢だから覚えているのだろうか。

 夢告というのはあるのだろうか。法然上人も親鸞聖人もその体験がご自身の中で大事なこととされている気がする。

 自分にはわからないけれど、河合氏が描かれているように、弟子たちは明恵を見て自分には起らないことだけどこの方のは本当だと思っていたのだろう。なんとも楽しくめんどくさそうなこだわりがあるようでいてそのこだわりがある自分もわかって他者に接していた感じがする。すごく会ってみたい。この本を見て明恵上人に会ってみたいと思った。

 フロイトやユングに興味のある方、夢に興味がある方、すごい仏教者に興味がある方におすすめ。 

 先日、京都国立博物館で偶然明恵上人直筆の『摧邪輪』を拝見することが出来た。これが明恵上人か・・・書かれた文字の一つ一つを眺め筆先、それを持つ手、眺める眼差しを思い浮かべてとてもいい時間を過ごすことが出来た。

 

◆明恵上人の本

luhana-enigma.hatenablog.coms

◆当時の夢告についてはこちらもいいかも

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