『カルト宗教と共に生きた30年』隅田川流
統一教会での信仰を持ち、三度の合同結婚式を経験されている方の生々しい体験記。
どうしても自分の今の信仰(真宗からすると語弊がある表現だけど一般的なものとしてこう書いておく)と比較して考えてしまう。
自分はいたって普通の中流といわれそうな家庭に育ってわりと挫折なく来た気がする。生きづらさってあっただろうか、みんなこんなもんだと思っていたのだけれど、この本を読んで、ああ、自分にもあった。こういう気持ちがあった。でもそれをたまたま押し込めてこられただけだったんだと感じた。自分も目の前に現れたことによってどんな選択もしうるんだ。自分は縁によって浄土真宗の中にいるということなのだ。
統一教会の専門的な言葉が多く、どういうことを意味するのかちょっと分かりづらいところもある。だがそれがかえってこの方がそれを「常識」、「普通」として生きてこられたという証なんだなと受け取った。
信仰の中に身を置いた方の経験として一読の価値あり。
◆統一教会の本