如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』鵜飼 秀徳

『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』鵜飼 秀徳 文春新書

明治時代の廃仏毀釈について、神仏習合時から政治的、文化的な時代背景を各地の事例で追っていく。

学校の教科書で習った「廃仏毀釈」という言葉の奥にこんな重い事実があったのかと驚いた。地元民からの苛烈な破壊活動が僧侶の堕落という理由があっただなんて・・・。

著書は浄土宗の僧侶。現地取材をされているのだけど、その描写からも今にその傷跡を感じることが出来る。

今の仏教について考える際に、ここ200年以内に仏教がどうであったかを知るのは重要だと思った。

それにしても廃仏毀釈の煽りで奈良公園の鹿さんたちがすき焼きになってただなんて辛すぎる。

歴史に興味がある人は是非。