如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

読書

『仏教語源散策』中村元

『仏教語源散策』中村元 角川ソフィア文庫 仏教語源散策 (角川ソフィア文庫) 作者:中村 元 KADOKAWA Amazon Kindle Unlimitedにあるので読んでみた。 仏教に関わる日本のことばを初期仏教を基本に解説してくれている。まったく仏教のことに興味がない方でも…

『構築された仏教思想 龍樹 あるように見えても「空」という』石飛道子

『構築された仏教思想 龍樹 あるように見えても「空」という』石飛道子 佼成出版社 構築された仏教思想 龍樹 あるように見えても「空」という 作者:石飛 道子 佼成出版社 Amazon タイトルに惹かれてKindle Unlimitedで読んだ。 聖典で『十住毘婆沙論』を読ん…

『中学生の君におくる哲学』斎藤慶典

『中学生の君におくる哲学』斎藤慶典 講談社 中学生の君におくる哲学 作者:斎藤 慶典 講談社 Amazon 哲学系のお薦め本にあったので読んでみた。 著者が慶応中学校の校長時代、生徒に話された内容。ふーんと思っていたのだけど、これがまた自分が遠くに忘れ去…

『往生要集』源信

『往生要集』源信 川崎庸之, 秋山虔, 土田直鎮(訳) 往生要集 全現代語訳 (講談社学術文庫) 作者:源信 講談社 Amazon 現代語訳ではあるのだが、自分の理解力ではかなり難易度が高かった。と言うのも源信僧都が突き詰めた問答を展開されていて、似たようなこ…

『ブッダ臨終の説法 完訳大般涅槃経②』田上太秀

『ブッダ臨終の説法 完訳大般涅槃経②』田上太秀 大法輪閣 ブッダ臨終の説法: 完訳 大般涅槃経 (2) 作者:田上 太秀 大法輪閣 Amazon この巻は最後の方で阿闍世王がブッダに会いに行くところがすごくよかった。 6人の大臣たちがそれぞれの師と呼ばれる人のとこ…

『トマス・アクィナス 『神学大全』』稲垣良典

『トマス・アクィナス 『神学大全』』稲垣良典 講談社学術文庫 トマス・アクィナス『神学大全』 (講談社学術文庫) 作者:稲垣良典 講談社 Amazon この本は『神学大全』のエッセンスをトマスのものの見方にこだわって凝縮して伝えられている。 人間本性を原動…

『ダンマパダ~ブッダ 真理の言葉~』

『ダンマパダ~ブッダ 真理の言葉~』今枝由郎訳 光文社古典新訳文庫 ダンマパダ~ブッダ 真理の言葉~ (光文社古典新訳文庫) 光文社 Amazon これは現代人が読みやすい訳である。自分はKindleで読んだのだが、註がタッチでさっと飛んで読めるのですごくよか…

『寝ながら学べる構造主義』内田樹 文春新書

『寝ながら学べる構造主義』内田樹 文春新書 寝ながら学べる構造主義 (文春新書) 作者:内田 樹 文藝春秋 Amazon 実は雑誌などでは意見して内田樹さんはそんなにいいなあとは思っていなかったのだが、2002年のこの本は入門書としてとてもよかった。 哲学者の…

『ひとはなぜ戦争をするのか 』アインシュタイン&フロイト

『ひとはなぜ戦争をするのか 』講談社学術文庫 アルバート・アインシュタイン (著), ジグムント・フロイト (著), 養老孟司 (著), 斎藤環 (著), 浅見昇吾 (翻訳) ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫) 作者:アルバート・アインシュタイン,ジグムント・…

『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】』山﨑 圭一

『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】』山﨑 圭一 SBクリエイティブ 一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】 公立高校教師YouTuberが書いた 作者:山﨑 圭一 SBクリエイティブ Amazon ものの試しに読んでみた。世界史は苦手だ…

『一億三千万人のための 小説教室 』高橋源一郎

『一億三千万人のための 小説教室 』高橋源一郎 岩波新書 一億三千万人のための 小説教室 (岩波新書) 作者:高橋 源一郎 岩波書店 Amazon 『一億三千万人のための 歎異抄』の原点はここにあったか。 たまたま読んでみて、高橋氏がことばに向かう姿勢をしって…

『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門』

『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門』 井上達夫 毎日新聞出版 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門 作者:井上 達夫 毎日新聞出版 Amazon 「法哲…

『浄土真宗とは何か 親鸞の教えとその系譜』小山聡子

『浄土真宗とは何か 親鸞の教えとその系譜』小山聡子 中公新書 浄土真宗とは何か 親鸞の教えとその系譜 (中公新書) 作者:小山聡子 中央公論新社 Amazon 他力の教えを説いた親鸞聖人。そしてそれを伝えてきた人たち。が、史実的にどこまでその教えの通りだっ…

『お浄土はいのちのふるさと』小川一乗

『お浄土はいのちのふるさと』小川一乗 法蔵館 お浄土はいのちのふるさと 作者:小川 一乗 法藏館 Amazon 法話の書き起こし。小川師は仏教学者なのだが仏教学的なお話の中で真宗ど真ん中の法話をされるんだなあ。よかった。 「いのち」はなにのことを指してい…

『一億三千万人のための『歎異抄』』高橋源一郎

『一億三千万人のための『歎異抄』』高橋源一郎 朝日新書 一億三千万人のための『歎異抄』 (朝日新書) 作者:高橋 源一郎 朝日新聞出版 Amazon 文化人×仏教ものは回避がちなのだけど周囲の評判がよかったので読んでみた。 これはすごくいい。高橋氏が『歎異抄…

『ブッダという男ー初期仏典を読みとく』清水俊史

ブッダという男ー初期仏典を読みとく』清水俊史 ちくま新書 ブッダという男 ――初期仏典を読みとく (ちくま新書) 作者:清水俊史 筑摩書房 Amazon 仏教界で話題の書。 自分が今まで「お釈迦様ってこうだよね」と思っていたことのふんわりした前提(ガチ仏教学…

面白い! 『増補改訂 近代仏教スタディーズ 仏教からみたもう一つの近代』

『増補改訂 近代仏教スタディーズ 仏教からみたもう一つの近代』 大谷栄一・吉永進一・近藤俊太郎編 法藏館 増補改訂 近代仏教スタディーズ 仏教からみたもうひとつの近代 法蔵館 Amazon 昨年末に増補改訂版として出たこの本、めちゃくちゃ面白かった。 いろ…

『ブッダ臨終の説法 完訳大般涅槃経①』田上太秀

『ブッダ臨終の説法 完訳大般涅槃経①』田上太秀 大法輪閣 ブッダ臨終の説法: 完訳 大般涅槃経 (1) 作者:田上 太秀 大法輪閣 Amazon 「一度は読むべし」と法友先輩からお薦めがあり読み始めた。『大般涅槃経』の大胆な現代語訳。お釈迦様に弟子たちがガンガン…

『死に学ぶ生の真実』高史明

『死に学ぶ生の真実』高史明 法藏館 死に学ぶ生の真実 作者:高 史明 法藏館 Amazon 13歳で亡くなった少年の十三回忌に高師がされた法話の書き起こし。 ご自身も息子さんを亡くされたご経験がある高師がなんとも悔しい事故で亡くなった少年の遺族に語りかける…

『くらしの中の念仏者』亀井 鑛・松本梶丸

『くらしの中の念仏者』亀井 鑛・松本梶丸 法藏館 https://amzn.to/47tRPCF 1986年に発刊されたもの。先日の法藏館の秋の本まつりで入手した。 いまから40年近く前当時に在野にいらっしゃった一般の念仏者の方お話。 こういう方を探して他の方に伝えるような…

『浄土三部経』本願寺出版社

『浄土三部経』本願寺出版社 浄土三部経 (文庫版) ―原文・現代語訳・佐々木惠精解説 本願寺出版社 Amazon 真宗大谷派の聖典を浄土三部経(巻頭)から毎日読んでいる。その際に現代語訳の頼りとしてこの本を併読した。 違和感のない現代文で、難しい語彙も現…

『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』鵜飼 秀徳

『仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか』鵜飼 秀徳 文春新書 仏教抹殺 なぜ明治維新は寺院を破壊したのか (文春新書) 作者:秀徳, 鵜飼 文藝春秋 Amazon 明治時代の廃仏毀釈について、神仏習合時から政治的、文化的な時代背景を各地の事例で追っていく…

『舎利弗の物語 阿弥陀経の黙った主役』大窪康充

『舎利弗の物語 阿弥陀経の黙った主役』大窪康充 京都月出版 舎利弗の物語: 阿弥陀経の黙った主役 作者:大窪 康充 京都月出版 Amazon しんらん交流館で一度お聞きして、日曜講演でこれは!!!と思った大窪師の著書。『阿弥陀経』について声聞・舎利弗を中心…

『スタディーズ空』梶山雄一

『スタディーズ空』梶山雄一 春秋社 スタディーズ空 (Studies Buddhism) 作者:梶山 雄一 春秋社 Amazon 仏教で避けて通れない「空」の入門書。説一切有部、龍樹についての解説。 これで入門書なんだよなあ。言葉は平易であるが、内容はそれなりに難しいので…

『ハイデガーの哲学 「存在と時間」から後期の思索まで』

『ハイデガーの哲学 「存在と時間」から後期の思索まで』轟孝夫 講談社現代新書 ハイデガーの哲学 『存在と時間』から後期の思索まで (講談社現代新書) 作者:轟 孝夫 講談社 Amazon 非常に難易度が高かったが面白かった。 ハイデガーの『存在と時間』自体を…

法相宗が熱い!『唯識 これだけは知りたい』

『唯識 これだけは知りたい』加藤朝胤監修 船山徹 石垣明貴杞 唯識 これだけは知りたい 作者:船山 徹,石垣 明貴杞 法蔵館 Amazon とてもいい本だと思う。 インド、インドから中国へ、中国から日本へ、唯識の基本用語と章立てされていて、そんなに唯識を知ら…

釈尊→親鸞聖人→自分まで一直線『釈尊と親鸞 インドから日本への軌跡』龍谷ミュージアム編

『釈尊と親鸞 インドから日本への軌跡』龍谷ミュージアム編 法藏館 釈尊と親鸞: インドから日本への軌跡 法藏館 Amazon これはすばらしい本だ。 釈尊の誕生、一生、その後の弟子たちからつらなる初期仏教から中国、アジア諸地域への伝播、浄土教の興隆、そし…

『正信偈講座』梯實圓

『正信偈講座』梯實圓 本願寺出版社 正信偈講座 作者:梯 實圓 本願寺出版社 Amazon 梯和上の正信偈講座、本当に正信偈の解説をやりきっていらっしゃる!!! これは初心者にもおすすめできるな。万遍なく解説されている。 とりわけいいなと思ったのが七高僧…

凝縮がすごい!『聖典セミナー 浄土三部経Ⅰ無量寿経』稲城選恵

『聖典セミナー 浄土三部経Ⅰ無量寿経』稲城選恵 本願寺出版 聖典セミナー 浄土三部経 1 無量寿経 作者:稲城 選恵 本願寺出版社 Amazon どんだけ寝かせていたのかの積本。 これはよかった。読み始めてすぐ、マーカーとペンで書き込み。浄土三部経の関係性、『…

広範囲な浄土教のガイド!『浄土思想』岩田文昭

『浄土思想』岩田文昭 中公新書 浄土思想 釈尊から法然、現代へ (中公新書) 作者:岩田文昭 中央公論新社 Amazon 周囲のお薦めで読んでみたけれど、これが専門外の方が書いたのかと思うくらいまとまっていて深みのある内容だった。 初期仏教からの流れで七高…