如是我我聞

仏教書、哲学書、本ならなんでも。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

すべてが接地点『DTOPIA』安堂ホセ

『DTOPIA』安堂ホセ 河出書房新社 DTOPIA 作者:安堂ホセ 河出書房新社 Amazon 第172回芥川賞受賞作品(2024年下期) これは『推し、燃ゆ』や『ハンチバック』のような正視するのがちょっと辛くなるのは知りもしないくせに自分の中にこうあるべき正しさがある…

人間の歴史ってこう見えるかも『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア=マルケス

『百年の孤独』 ガブリエル・ガルシア=マルケス (著), 鼓 直 (翻訳) 新潮文庫 百年の孤独 (新潮文庫 カ 24-2) 作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 新潮社 Amazon 昨年文庫化で話題になっていたのに積んでいた。 今年の夏休みの宿題にと読んでみた。 とにか…

歴史の中に生きる人々の想い『塞王の楯』今村翔吾

『塞王の楯』今村翔吾 集英社文庫 塞王の楯 上 (集英社文庫) 作者:今村翔吾 集英社 Amazon 塞王の楯 下 (集英社文庫) 作者:今村翔吾 集英社 Amazon 第166回直木賞受賞作品(2021年下期) 前に著者の『じんかん』を読んでとてもよかった。時代物ってどうして…

旅だよ、旅。『さいはての彼女』原田マハ

『さいはての彼女』原田マハ 角川文庫 さいはての彼女 (角川文庫) 作者:原田 マハ KADOKAWA Amazon 原田マハの文章はすっきり読めてすっと心に入ってくるから好きだ。 この小説は、セレブな女性がいろいろあって北海道に旅に出たという、ある意味ありがちパ…

ちょっとばらばらかも『「利他」とは何か』

『「利他」とは何か』 中島岳志 (著), 若松英輔 (著), 國分功一郎 (著), 磯崎憲一郎 (著), 伊藤亜紗 (編集) 集英社新書 「利他」とは何か (集英社新書) 作者:中島岳志,若松英輔,國分功一郎,磯崎憲一郎 集英社 Amazon 「利他」というのは仏教でも出てくる言葉…

縁次第『ブラックボックス』砂川文次

『ブラックボックス』砂川文次 講談社文庫 ブラックボックス (講談社文庫) 作者:砂川文次 講談社 Amazon 第166回芥川賞受賞作品(2021年下期)。 自分の感覚なんだけど、前半のメッセンジャーとしての描写は登場人物が生きているリアリティを感じさせるため…

女性が生きるということ『しろがねの葉』千早茜

『しろがねの葉』千早茜 新潮文庫 しろがねの葉(新潮文庫) 作者:千早茜 新潮社 Amazon 第168回直木賞受賞作品(2022年下期)。 転がるように物語が進んでいくのだけれど、それは主人公ウメが幼児から大人になっていくスピードと比例し、解像度が高いものか…

やさしさとつらさが一緒に『夜に星を放つ』窪 美澄

『夜に星を放つ』窪 美澄 文春文庫 夜に星を放つ (文春文庫) 作者:窪 美澄 文藝春秋 Amazon 第167回直木賞受賞作品(2022年上期)。 5つの短編からなる一冊。 一言でいうと、やさしさとつらさが一緒に詰まっている感じ。 人間が生きていたら、きれいなことだ…

きもちわるいよ、読後感。『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子

『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子 講談社文庫 おいしいごはんが食べられますように (講談社文庫) 作者:高瀬隼子 講談社 Amazon 第168回芥川賞受賞作品(2022年下期)。 これは読後感がやばい。きもちわるい。グロテスクとかそういうのではな…

はまる人にははまると思う『この世の喜びよ』井戸川射子

『この世の喜びよ』井戸川射子 講談社文庫 この世の喜びよ (講談社文庫) 作者:井戸川射子 講談社 Amazon 第168回芥川賞受賞作品(2022年下期)。 これは初めてだな。主人公のことを「あなたは」と語りかけながら進む。二人称だな。 催眠術的な不思議な感覚も…

知っておきたい!『多元宇宙(マルチバース)論集中講義』野村泰紀

『多元宇宙(マルチバース)論集中講義』野村泰紀 扶桑社BOOKS新書 多元宇宙(マルチバース)論集中講義 (扶桑社BOOKS新書) 作者:野村 泰紀 扶桑社 Amazon 実はMARVELが大好きである。 マルチバースものが多くなってきた今、文系といえども基本を…

じっくり読んだ『願生浄土』安田理深

『願生浄土』安田理深 永田文昌堂 昭和28年5月から大垣市の長勝寺で行われた講義。現在は古書のみ。 一回三分の二までいって全然わからんなと思って最初から読書メモを取りながら読んだ。 『浄土論』に関する話だと聞いて読んだのだけど、やはり『浄土論註』…

軽妙なテンポで読ませる大作『極楽征夷大将軍』垣根涼介

『極楽征夷大将軍』垣根涼介 文藝春秋 極楽征夷大将軍 (文春e-book) 作者:垣根 涼介 文藝春秋 Amazon 第169回(2023年上期)直木賞受賞作品。 足利尊氏…自分の世代は教科書に載っていた肖像画をすぐに思い浮かべるが、いまはあれは別人ということがわかった…

思ってた鎌倉時代と違う!『鎌倉仏教の中世』平雅行

『鎌倉仏教の中世』平雅行 法藏館文庫 鎌倉仏教の中世 (法蔵館文庫) 作者:平雅行 法藏館 Amazon 実は高校の社会科は世界史・地理だったので、自分の日本史は中学校と『まんが日本の歴史』(小学館)で止まっている。 今までの人生で、鎌倉時代ってこういう感…

人情ってこういうのだな『木挽町のあだ討ち 』永井紗耶子

『木挽町のあだ討ち 』永井紗耶子 新潮社 木挽町のあだ討ち 作者:永井紗耶子 新潮社 Amazon 第169回直木三十五賞・第36回山本周五郎賞 受賞作 よかった。 あなたの話を聞かせてくださいっていく話。 何の情報もなく読むのがおすすめ。 自分でない他者の話っ…

なにこの熊文学『ともぐい』河﨑秋子

『ともぐい』河﨑秋子 新潮社 ともぐい 作者:河﨑秋子 新潮社 Amazon 第170回直木賞(2023年下期)受賞作品。 Amazonの広告では「熊文学」という言葉があったのだけど、まさにそれですな。 山に住み狩をして生きる自分の年齢もわからない男の視点で語られる…

載せてもらいました『ブクログ・ブック: ブクログが作る読書のガイドブック』

『ブクログ・ブック: ブクログが作る読書のガイドブック』 ブクログ出版部 ブクログ・ブック: ブクログが作る読書のガイドブック ブクログ Amazon 実は別名でブクログをやっていてこちらの本に載せていただいた。 形になるってなんだかうれしい。 どこの誰だ…

八月に読むべし『八月の御所グラウンド』万城目学

『八月の御所グラウンド』万城目学 文春e-book 八月の御所グラウンド (文春e-book) 作者:万城目 学 文藝春秋 Amazon 第170回直木賞(2023年下期)受賞作品。 8月に入ったので、タイトルでこれ読むかあとなった。 予想以上に刺さった。 これまたストーリーを…

貴重な記録『死ぬ瞬間-死とその過程について』エリザベス・キューブラー・ロス

『死ぬ瞬間-死とその過程について』エリザベス・キューブラー・ロス 中公文庫 死ぬ瞬間 死とその過程について (中公文庫) 作者:エリザベス・キューブラー・ロス 中央公論新社 Amazon いろんなところで必読の書として出てくるのだけど初見。 余命を宣告された…

AIも活用した小説『東京都同情塔』九段理江

『東京都同情塔』九段理江 新潮社 東京都同情塔 作者:九段理江 新潮社 Amazon 第170回芥川賞(2023年下期)受賞作品。 ChatGTPが書いた部分もあるという話題の作品。 少しずつプロンプトを入れてより正確な表現にたどり着こうとするプロセスが、ああ、あるな…