友達に借りた教区発行の薄い本。
『真宗の本尊』 佐野明弘 真宗大谷派名古屋教区第二組
ホロコーストの『普通の人びと』を読んだ直後の自分にとっては非常に心にしみる内容であった。『真宗の本尊』という題名に沿って、3回の講義を行った記録である。信心、宗教ということについてストレートにお話しいただいている。ストレートに。
この本で一番心に残ったものは、『真宗聖典』を所持することをお薦めいただいていること。最初から最後まで読んでも何もわからないけれど、その中で素晴らしい言葉に出遇ってほしいということで薦めていただいている。
自分も半年くらい前に購入した。本を読んでいて典拠があったら引くことがある。どこになにがあるかちょっとわかってきた。暗記しているわけではないけれど、何度も出遇って心に残る和讃がある。まだまだだけれども、聖典の言葉がそばにある生活の存在を感じる。
真宗とは入門することという言葉があった。ここは池田先生のお話と通ずるところを感じた。教えを聞く身になるのがすべて。
平易な言葉でお話しいただいているので、初心者の方でも読みやすいと思う。何度でも読んでいいと思う本。
ただしだ。途中、ねこ派のみなさんの心が『普通の人びと』を読んだ時ぐらい引き裂かれるようなお話がある。そこだけ、心からの親切心から明記しておこうと思う。
機会があれば一読を。