『如来のまなざしの中を』 志慶眞文雄 自照社出版社
※すでに古書のみ
以前マルティン・ブーバーを読んだ時に感動して関連書を探していたところ、こちらが古書にあったので購入していた。
とりあえず、著者がすごい。「どうせ死んでしまうのに生きるのにどんな意味があるの」と10歳から悩み続ける。電子工学系から素粒子物理の研究へと進路を変え、さらには自分の問題が解決しないと研究に耐えられないと思いやめてから医学部進学、地元の沖縄へ帰って小児科医を開業されている。途中お連れ合いのおすすめで浄土真宗にであい聞法されている。なんという経歴。
そして土着信仰色濃く、当時は真宗がまったくなかった沖縄において医院の2階に聞法道場を作る。自分が聞くために。
この本はやはり素人の方の文章を集めたものなので重複もあり、プロっぽくないのだ。でもひたむきに自分の中で問い続けてこられた人が思うことが滲み出ているような内容なのだ。
ブーバーのことが目的で購入したのだけど、このまとめ方もすごかった。自分も真宗と重ね合わせて読んでいたが、ここまできちんと整理されているとは。素晴らしいと思った。
いまはコロナで聞法道場は中止中のようだ。ホームページもある。
びっくりしたのが、細川巌先生とお聴聞されていた元生徒がふたりとも病床にあっての往復書簡というのが掲載されている。なんともいえない。一緒に真宗の教えを聞いてきたもの同志でないと通じ合えないものを感じる。
購入すべし!とはいわないが、機会があったら是非読んでいただきたい本である。自分はとてもいいタイミングで読んだ気がする。
◆マルティン・ブーバー
◆細川巌先生の本