『ブッダとは誰か』吹田隆道 春秋社
初学、ちょっと仏教に興味がある人から改めて「ブッダ」とはということを振り返りたい人まで幅広くおすすめ。
別で『大般涅槃経』も読んでいるのだけど、お釈迦様の仰っていることって、ぶっちゃけ矛盾することがある。
釈迦牟尼はそのような”妄信”を排除するために教えの固定化を避け、それぞれが確証を得られるような「対機説法」という手法を取ったのです。
というところで烈しく頷いた。そうだ。お釈迦様がすごいのはこういうところなんだ。
この本の中では、伝説的なお釈迦様像を踏まえた上で、実際はどうであったかということも書かれている。成道後にウパカに道で会って教えを伝えようとして失敗するが、これは「ウパカ」という個人ではなく、サールナートに向かう道で出会うさまざまな修行者に伝えようとして相手にされてなかったことを現わしていると。お釈迦様、苦労されたんだなと急激に身近に感じるのだ。
冒頭の通り、仏教に興味がある人には本当におすすめ。是非一読を。