科学の本だけど、そこから考えたこと。
『不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?』 (ブルーバックス) Kindle版 須藤 靖
お経の中には宇宙を思わせるところがある。
三千大千世界
この本には、わたしたちがいる宇宙は一つなのかということに関していろいろな角度から説明がされている。
「我々のすむ宇宙は必然かあるいは偶然か」という問いから、私たちの宇宙がたまたまあるのではなくて、他にもこういう環境があるのではと考えていく。すると、我々が他の宇宙を確認することが出来たら、それはすでに我々の宇宙になってしまう。そのところは知る術がないのだ。
というところを読んで、真如の世界のことを思うのであった。
宇宙はすべて法則に支配されているということも、相依性のこと思い出させる。果てがあるのかどうかもわからない宇宙について考えるときに、自分の側にあるものを手がかりにすることだって出来る。すべてはつながっている。
宇宙のひとつひとつが仏国土なのかな。それが集まってのマルチバースかな・・・と最初考えていたけれど、そのうちに人と人が集まっていることがマルチバースでもあるという風にも感じた。無明の殻の中に入っている私たちはそれぞれの世界=宇宙から抜け出ることが出来ず、他人の宇宙も本当に知ることが出来ない・・・。
本当に正真正銘の科学の本だけれど、自分を突き抜けた世界を思うときに、こういう本を読むのもありかと思う。