『これだけは知っておきたい 統一教会問題』島薗進(編集)東洋経済新報社
情報量がすごい。各方面の識者が専門分野の視点から掘り下げて統一教会を見ていく。正直なところ「血わけ」といわれる儀式については知るにつれて大変読むのが困難になっていった・・・。公平な目で見なければと思うのだけれど、自分の「ふつう」や「こうあるべき」から逃れられず、異質な物として認識してしまうなあ・・・。ううう。
第6章 統一教会における家族・結婚・性ーー金光教の立場から考える(藤本拓也)
金光教のことも初めて知った。宗教比較的に読めるのだけど、なんか真宗に近いような気がした。
第8章 宗教2世問題と統一教会(正木伸城)
一番最後に抜群によかった。社会問題的に捉えているようでいて、個のところをしっかりみていく「ふつう」による加害ということをクローズアップしている。自分もこの「ふつう」という暴力性に触れることがある。クリスマスを祝い、正月は初詣をするのが「ふつう」だろ。南無阿弥陀仏とかお経とか気持ち悪いと言われるのである。血のつながった家族に偏っているとみなされる。それが辛い。
2022年の事件から注目されている統一教会について、一旦情報をインプットするのにとてもいい本であるし、社会の視線、自分の視線についても揺さぶりを掛けて軌道修正してくれる一冊。