『信仰』村田沙耶香 文藝春秋
『コンビニ人間』『世界99』で唸らせられた村田沙耶香さん。
11の短編から成る一冊。いろんなところに『世界99』の世界観の原型が垣間見られる。これはどっちを先に読んだ方がいいのだろう。『信仰』を読んだ後に『世界99』読んでもよかったな。たぶん細かいところにハッとしただろう。
タイトルの『信仰』の短編は、カルト宗教詐欺を始めようぜという話なのだが、どうしても信じられない人が信じさせてくれとなっているのだ。これ、実際の宗教の構造もこういうものかもしれないとふと感じた。
通底しているのが「生きづらさ」にどう取り組むかというのが、ポジティブに自己破壊に向うみたいなところがあって、なんというかここが希死念慮とかと通じるのかなと。自分を貫くために、守るために、壊すみたいになってる気がする。
村田さんの小説は独特の気持ち悪さ、人間が生きていることの気持ち悪さをきれいなビジュアル(ビジュアルというか、表現かなあ)で見せられるという感じが印象的。
読んでて直視できない!!!ってならないラインというか。非現実的なことでさえもそれが「自分の中に起こりえるかもしれない」と受け入れさせる浸透力のようなものがある。じわじわ、しみてくる。あれ?自分こんなこと想像してあるかもとか思ってる??と自分の常識的な面が崩されるような感覚に襲われる。
静かに美しく衝撃を受けたい人にはおすすめ。
