如是我我聞

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『親鸞から蓮如へ』

『親鸞から蓮如へ 真宗創造ー『御文』の発遣』 池田勇諦師 東本願寺出版

  池田師による親鸞聖人と蓮如上人の関係性について『御文』を中心に。

 興味深いところが2点。

 一つは『歎異抄』を背景としての『御文』の思想を見ていく点。『歎異抄』は親鸞聖人のことを唯円が語ることで「教えと異なることを嘆く」スタンスでの書かれているが、『御文』はこれから真宗を広めていくということで手紙というスタイルで、わかりやすくある意味誤解をしそうなことも大胆に書いて細部を詰めていくようなところがある。まずは知らないことを伝えるということに重きをおいているということか。

 もう一点、これはいいと思ったのが池田師の二河白道の話をじっくり読めること(若干蓮如上人関係ないけど)。白道を渡る行者の決意の瞬間と行けという此岸の釈尊、水火を恐れずすぐに来いという阿弥陀様。

 大きな声では言えないけど、蓮如上人と直接関係のないところでの見どころが多いように感じた…。

 御文以外で蓮如上人に触れることがあまりないので、いくつか本を読んでいる。やはり親鸞聖人の教えを「広める」ということに力を注がれたところのご苦労のところがいろいろあると思うが、親鸞聖人のお書きになったものとの違いがあるように自分は感じていた。教義的なものではなくて感覚的なところなのだけれど。そのバックグラウンドと詳細な解説というのがあると自分で考えることができるので助かる。

 

◆池田勇諦師の本

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