如是我我聞

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『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ・秋田喜美

『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ・秋田喜美 中公新書

 タイトル買い。言葉を学習する人間(の赤ちゃん、幼児)に着目したオノマトペの話を興味深い。チンパンジーはアブダクション推論をしないから言語を学べない。でも個体差あり。これって進化の途中を感じさせるよなあ。

 多言語の発音から意味を推量するというのが可能なのがすごかった。母音、子音って単なる音の差ではなかった!のにびっくり。

人間は、アブダクションという、非論理的で誤りを犯すリスクがある推論をことばの意味の学習を始めるずっと以前からしている。それによって人間は子どもの頃から、そして成人になっても論理的な過ちを犯すことをし続ける。しかし、この推論こそが言語の習得を可能にし、科学の発展を可能にしたのである。

 人間が言葉に迷っていくというのは、本当だったのだ。過ちを犯し続けるのだ。

◆ことばに関わる本

luhana-enigma.hatenablog.com