『なぜ名が救いか』大峯顯 百華苑
平成9年初版本。
「如来の誓願は成就している」ということを中心に話をされているので、全体を読まないとこれに安心してしまうリスクのある内容ではある。
俳人でもあった大峯師のことばの見方がわかりやすく伝えられていて、そのことばの危うさと真如の世界のはたらきを合わせて読んだところにでてくる名号とは・・・というところが大事なところとなる。
十劫の昔に完成されている阿弥陀の誓願。これを時間と捉えない。そこにいるのはそうまでしてもすくいきれないわたしがいるということ。人間というのは同時に考えるというのをしようと思うと難しいな。でも話を聞いているとそうなることが起るのだと思う。だからの、お聴聞なんだろう。
百華苑シリーズにしては100頁超のものとなり、読み応えあり。
◆大峯顯師の百華苑シリーズ