『往生絵巻』芥川龍之介 青空文庫
以前に『源大夫』を読んだ時にTwitterのフォロワーさんに教えていただいたもの。ダウンロードして読んでないのに気がついた!
漫画とは違った趣がある。まあ、漫画もこちらの戯曲も二次創作(モチーフと言った方がいいのだろうか)なのだが。『今昔物語』にある前半の五位の入道の人生は戯曲内で噂話として出る程度。西へ向かう様を描いている。
戯曲なので、町の登場人物の台詞。五位の入道が『阿弥陀仏よや。おおい。おおい。』と言いながら道行く様子を囁き合う。市井の中にあって南無阿弥陀仏を申すもののちょっとした異質さを思い出す。自分のことだ。
松風の音、鳥の鳴き声。いろいろな音で溢れる中に彼の南無阿弥陀仏が響き渡る。
ああ、なんか衆生のなかの南無阿弥陀仏なんだなあと感じさせられる。人々の生活のスピードとは全然別な感じで入ってくる南無阿弥陀仏。途切れない南無阿弥陀仏。
と、真宗を聞く自分には読めたのであった。
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