如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

「凡夫の歩む仏道」を明示してくれる

 そろそろ復活。Kindle読書生活。

何でアミダさんなの… 信仰するってどういうこと? (響流ブックレット)

何でアミダさんなの… 信仰するってどういうこと? (響流ブックレット)

 

 

最近の浄土真宗の法話では、意図してなのかどうかわからないが、宗教として本来もっと言ってもいいはずの「信仰」という言葉を聞かない。この本はタイトルに入っていたので興味を持った。

阿弥陀如来一仏を本尊と仰ぎ、弥陀の本願、絶対他力の救済を聞信するを生命とする「凡夫の歩む仏道」を、浄土真宗という。

阿弥陀如来の救いは、この世を幸せに生きられるようにしてくれるという類いのものではない。何のために生まれたのかと言うことがはっきりしない私、迷っている私に届く南無阿弥陀仏。

これは是非読んで感じ取ってほしいところだが、宗教というのは心の問題ではない・・・という下り。

 こういったテーマの法話の場合、初めて浄土真宗に触れる人には若干の飛躍を感じることがあるかと思うが、釈迦と阿弥陀如来について細かくステップを踏んだ例えと説明を重ねているので、おそらく置いてきぼり感はないと思われる。自分も初心者じゃなくなってきたなと思う今日この頃。

 比較的短くて、Kindle復帰リハビリにちょうどいい長さの本であったが、どうしてその中身の深さが素晴らしいものであった。

 「信仰」というキーワードで浄土真宗大谷派の僧侶の方のお話というのは非常に珍しく、また構えずにうなずけるお話であった。目線が聞法者と同じでそれに合わせたお話であると感じた。

 「信仰」で引っかかりのある人は、一度読んでみてほしい。