『増補改訂 近代仏教スタディーズ 仏教からみたもう一つの近代』
大谷栄一・吉永進一・近藤俊太郎編 法藏館
昨年末に増補改訂版として出たこの本、めちゃくちゃ面白かった。
いろんな方が各章を書かれているのだけど、自分が今まで読んできた仏教書の「宗教の中」ではなくて外でもなくて「宗教の目撃者」的な感じで熱く語られているのである。
しかも一つ一つの章がテーマがはっきりしていて、目的に対して読むのでとても面白く感じる。中身ははっきり言ってマニアックだと思う。仏教に興味ない人には？？？なテーマかも知れないが、読んでみるとそこに生きている人が見えてシンプルに楽しめるかもしれない。
テーマが本当に幅広くて、こういう時代にいろんな方がいて仏教がいま自分に届いているのだなと言うのも改めて感じさせられる。宗教の中の仏教書じゃないんだが、そういうことを思うのだ。
仏教を起点にだけれども、キリスト教、新宗教、神智学、文化人などにも広がった内容で時代全体を感じさせられる。登場する固有名詞が別テーマにも何度も出てくると、その方の影響範囲の広さをしみじみ感じるのである。
各テーマ個別に興味を持った方には「初心者へのブックガイド」があり、これまた充実している。「詳しくは、こちら！」がちゃんとあるのだ。
宗派関係なく面白く読める一冊！！！
