如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

『お浄土はいのちのふるさと』小川一乗

『お浄土はいのちのふるさと』小川一乗 法蔵館

法話の書き起こし。小川師は仏教学者なのだが仏教学的なお話の中で真宗ど真ん中の法話をされるんだなあ。よかった。

「いのち」はなにのことを指しているのか。「わかる」ことといのちへのまなざしヒューマニズムと仏教の違い。輪廻の苦しみ。縁起。

縁起から自分を遡っていくのはすごい。こういう自分にない視点をパッと与えてくれることが法話にはある。歴史の上に自分が頂点となって存在しているような相依の状態を思い浮かべることがあるが、この本からは、逆三角形の一番下に自分がいることを想起した。その重みも同時に。

四門出遊でお釈迦様が生について気が付かれたのは、老病死のところで差別されている姿、生きる苦しみだったと物語の裏を読んでいくこと。

とてもいい本だと思う。

2023年の讃仰講演会をYouTubeで拝見したが、先生もお年を召しての登壇、大変ご苦労されているかと思う。お身体をお大事にお話を聞かせていただければと思った。

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