2022年12月8日（木）19：30～
長源寺 同朋学習会「無量寿経」（26）瓜生崇師
「二一 たとい我、仏を得んに、国の中の人天、ことごとく三十二大人の相を成満せずんば、正覚を取らじ。」（『無量寿経』上巻【真宗聖典】18ページ）
三十二相：
1．足下安平立(そくげあんぴょうりゅう)相 扁平足。足の裏が平らで安定している。
2.足下二輪(そくげにりん)相（千輻輪(せんぷくりん)相） 手と足に法輪の模様がある。
3.長指相 指が繊細で長い。
4.足跟広平(そっこんこうびょう)相 かかとが広い。
5.手足指縵網(しゅそくしまんもう)相 手足の指の間に水かきのようなものがある。
6.手柔軟相 手足が柔らかく色が良い。
7.足趺高満(そくふこうまん)相 足の甲が亀のように形が良い。
8.伊泥延膞(いにえんせん)相 すねが鹿のように繊細。
9.正立手摩膝(しょうりゅうしゅましつ)相 手が長い。
10.陰蔵相 男根が目立たない･･･。アーナンダ、確かめて怒られる。
11.身広長等相 身体の均整がとれている。
12.毛上向相 身体の毛が上向きに生え右旋している。
13.一一孔一毛生(いちいちくいちもうしょう)相 よい香りを放ち輝く毛が生えている。
14.金色相 身体が黄色である。→第三願 ドラヴィダ人は浅黒い肌。カーストの下層に行くほど肌の色が黒くなる。肌が白いことをよいとする。あらゆる色を包括。
15.丈光相 身体が輝いている。
16.細薄皮相 皮膚が滑らかで柔らかい。
17.七処隆満(しちしょりゅうまん)相 両手足肩・頭の肉付バランスがいい。
18.両腋下隆満(りょうえきげりゅうまん)相 脇が引き締まっている。
19.上身如師子相 獅子のように威風堂々としている。
20.大直身相 身体が広く端正である。
21.肩円満相 肩の丸みをもっている。
22.四十歯相 歯が40本ある。
23.歯斉相 歯が白くそろっている。
24.牙白相 白く鋭利な歯を持つ。
25.師子頬相 ほほの肉が豊かで獅子のようである。
26.味中得上味相 なんでも最上の味を味わえる。
27.大舌相 舌が大きく柔軟。
28.梵声相 声がよい。
29真青眼相 瞳が青い蓮華のような色。
30牛眼睫相 まつげが牛のように揃っている。
31頂髻(ちょうけい)相 頭の上の髪の毛が束ねたようにもりあがっている。
32.白毛相（白毫相） 眉間に白毫がある。
言葉を超えた世界がわれわれにアプローチしている。（一番古い形は龍樹）
輪廻と涅槃を分け隔てていったら結局分別の問題になる。理念や概念を作った瞬間に迷っていく。
ここは回転ドアをくぐってまた元の位置に戻ってくるやつだ・・・。なにかこれじゃないか！思ったらまたおなじところにいたという感覚。
わたしたちは心の世界で生きているので、仏は心の世界に入ってくる。真実ならざるものとしてあらわれる。
うぬ･･･。これをきくと肉感的阿弥陀さんの話もやむなしなのかと思うのだが･･･。それでも人格を備えた阿弥陀さまとかは苦手なのだ。
・仮立（けりゅう） 言葉としてわれわれの中で仮に立っている。
・密教について
空海と最澄。理趣経をめぐる諍い。
これ理趣経の本読んだときに知ってびっくりした。
・本当の浄土でないものを本当の浄土だとして求めていくのは疑城胎宮。
「二二 たとい我、仏を得んに、他方の仏土のもろもろの菩薩衆、我が国に来生して、究竟して必ず一生補処に至らん。その本願の自在の所化、衆生のためのゆえに、弘誓の鎧を被て、徳本を積累し、一切を度脱し、諸仏の国に遊んで、菩薩の行を修し、十方の諸仏如来を供養し、恒沙無量の衆生を開化して、無上正真の道を立てしめんをば除かん。常倫に超出し、諸地の行現前し、普賢の徳を修習せん。もし爾らずんば、正覚を取らじ。」（『無量寿経』上巻【真宗聖典】18、19ページ）
・他方の浄土：阿弥陀仏の浄土以外の仏土
・本願：菩薩の願い
・一生補処：仏になる もう生まれない
なんか成るものがあるのに生まれないというのが言葉の上では不思議な感じがする。
・自在の所化：浄土に生まれたものがあらゆるものをすくいたいという願いをおこしたならば
・弘誓の鎧：浄土の世界を捨てて迷いの世界に還る
いいよなあ。この表現はすごくいい。
・あなたは必ず仏になる人だからとしたからすくう
やっぱり二十二願はすごいのだ。自分は誰かをすくいたいと誰かに表明したいとは思わない冷たい人間なのであるが、二十二願のお話を聴くと、全然そんなこと思ってもみない自分にそういう広い世界が見えてくるようでびっくりする。自分の想像力の限界。これを他者の言葉でしらせてもらう感じ。これがなあ、ほんと何回聞いても新鮮でびっくりするんだよなあ。鎧を着てってそこまで完全に願われるわけだけど、自分で完全無欠のヒーローを想像するのと訳が違う。本当に不思議。全然ちがう。
◆長源寺
