如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

読書

『正信偈講座』梯實圓

『正信偈講座』梯實圓 本願寺出版社 正信偈講座 作者:梯 實圓 本願寺出版社 Amazon 梯和上の正信偈講座、本当に正信偈の解説をやりきっていらっしゃる!!! これは初心者にもおすすめできるな。万遍なく解説されている。 とりわけいいなと思ったのが七高僧…

凝縮がすごい!『聖典セミナー 浄土三部経Ⅰ無量寿経』稲城選恵

『聖典セミナー 浄土三部経Ⅰ無量寿経』稲城選恵 本願寺出版 聖典セミナー 浄土三部経 1 無量寿経 作者:稲城 選恵 本願寺出版社 Amazon どんだけ寝かせていたのかの積本。 これはよかった。読み始めてすぐ、マーカーとペンで書き込み。浄土三部経の関係性、『…

広範囲な浄土教のガイド!『浄土思想』岩田文昭

『浄土思想』岩田文昭 中公新書 浄土思想 釈尊から法然、現代へ (中公新書) 作者:岩田文昭 中央公論新社 Amazon 周囲のお薦めで読んでみたけれど、これが専門外の方が書いたのかと思うくらいまとまっていて深みのある内容だった。 初期仏教からの流れで七高…

『なぜ名が救いか』大峯顯

『なぜ名が救いか』大峯顯 百華苑 平成9年初版本。 「如来の誓願は成就している」ということを中心に話をされているので、全体を読まないとこれに安心してしまうリスクのある内容ではある。 俳人でもあった大峯師のことばの見方がわかりやすく伝えられていて…

『法藏菩薩と生命世界』大峯顯

『法藏菩薩と生命世界』大峯顯 百華苑 この頃の浄土真宗はどうも如来様と私とが二つに分かれたところから始めているように思います。そうじゃなくて、本当はその別れる前から浄土真宗は始まるのです。如来様が向こうにあのようにたたれているのはどうしてか…

『さよならはない世界』大峯顯

『さよならはない世界』大峯顯 百華苑 うーん。『歎異抄』シリーズの最後二冊に唸ったところで、この本はまた感想の表現が難しいわ・・・。 「信心のない人とはなるべく付き合わない方がいいのです。」 というのがちょっと。。。それを言ってしまえばそれすらも…

『宇宙の中の自己の救い『歎異抄』後序』大峯顯

『宇宙の中の自己の救い『歎異抄』後序』大峯顯 百華苑 とうとう『歎異抄』シリーズ最終巻。 これもまた十七条・十八条と同じくらいよかった・・・! luhana-enigma.hatenablog.com 本の中で大峯師は 宗教的真理を直接に伝える言葉は何といっても語り言葉だとい…

『宗教的回心『歎異抄』第十六条』大峯顯

『宗教的回心『歎異抄』第十六条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 「回心といふこと、ただひとたびあるべし。」ここを聞かせてもらった!シュライアマハー(Wikiで学会がこの呼び方にしたいらしい)の『宗教論』を引いて、宇宙ということばをもって宗教を…

『後世への最大遺物』内村鑑三

『後世への最大遺物』内村鑑三 Kindle青空文庫 後世への最大遺物 作者:内村 鑑三 Amazon 哲学系の本を読むと推薦書があるのだが、こちらの本ももれなくリストに上がっていた。 キリスト教系の本を最近読み始めて直ぐ、読了を断念した。カトリックの司教さん…

『念仏もうさずしてをはるとも『歎異抄』第十四条』大峯顯

『念仏もうさずしてをはるとも『歎異抄』第十四条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp メモ。 滅罪については観経を読むと気になる。でも方便ということだよね。 無生忍の忍は知るということ。 ハイデガーの「被投的企投」 人間が生まれるのは選べないが、今…

『宿業と自由『歎異抄』第十三条』大峯顯

『宿業と自由『歎異抄』第十三条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 「宿業」という言葉。使い方を間違ったらいけないなと思う。なんでもかんでも他者との関係性を「宿業」のせいにしてしまうと話がおかしくなる。 一方で、自分をみつめたときにその有り様を…

『教学は何のためか 『歎異抄』第十二条』大峯顯

『教学は何のためか 『歎異抄』第十二条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp これはまた自分の痛いところを突かれている。自分が仏教書を読むのはなぜなのか。やっぱり正しいことを知りたいからだろう。そして間違っている人に間違っているぞ!といいたいから…

和語聖教がまとまっている!『親鸞の教化 和語聖教の世界』一楽真

『親鸞の教化 和語聖教の世界』一楽真 真宗文庫(東本願寺出版) 親鸞の教化―和語聖教の世界― (真宗文庫) 作者:一楽真 東本願寺出版部 Amazon 一楽師の本は初心者にもわかりやすい印象なので期待通り、和語聖教についての概略に合わせて真宗の肝要、親鸞像に…

『往生絵巻』芥川龍之介

『往生絵巻』芥川龍之介 青空文庫 往生絵巻 作者:芥川 竜之介 Amazon 以前に『源大夫』を読んだ時にTwitterのフォロワーさんに教えていただいたもの。ダウンロードして読んでないのに気がついた! 漫画とは違った趣がある。まあ、漫画もこちらの戯曲も二次創…

著者の想いに唸る『最澄と徳一』師茂樹

『最澄と徳一』師茂樹 岩波新書 最澄と徳一 仏教史上最大の対決 (岩波新書) 作者:師 茂樹 岩波書店 Amazon 仏教書を読んだり法話を聴いていて度々出てくる「三一権実諍論」ってなんだろうということで読んだ。 「三一権実諍論」の中身を知るために読んだつも…

『自然の道理『歎異抄』第十条』大峯顯

『自然の道理『歎異抄』第十条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 大峯顯師の百華苑シリーズ。 昨日の聞法会で自然法爾の話を聞いたばかりなのでそうそうと思いながら読む。 この本の元になる法話は20年以上前に行われているわけで、やっぱり読んでいると今…

『信の回復』 和田稠

『信の回復』 和田稠 東本願寺出版 信の回復 (同朋選書 16) 作者:和田 稠 東本願寺出版部(真宗大谷派宗務所出版部) Amazon 靖国神社問題についての本。和田稠師が真宗大谷派で著名な方だというのは存じ上げているが、自分はこの本が初見。 出版は1975年。ほ…

『無碍の一道『歎異抄』第七条・第八条』大峯顯

『無碍の一道『歎異抄』第七条・第八条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 大峯顯師の百華苑シリーズ。 「魔界も念仏を敬う」横超の説明で、竹の中の節を破って上から出ようとしていくが、阿弥陀さんが横に穴を開けてくれるから出られるという喩えが結構いい…

『弟子一人ももたず『歎異抄』第六条』大峯顯

『弟子一人ももたず『歎異抄』第六条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 大峯顯師百華苑シリーズ。 「弟子一人ももたず」は『歎異抄』だけに出てくることば。関係性ではなく個人というところに焦点を当ててずっとお話しされているのがわかる。如何に自分が関…

『大慈悲心『歎異抄』第四条・第五条』大峯顯

『大慈悲心『歎異抄』第四条・第五条』大峯顯 百華苑 pub.hozokan.co.jp 大峯顯師百華苑シリーズ。 第四条・第五条も永代経法要を絡めてお話しされている。「ご先祖のため」に「いいことをしている」という勘違い。自分としては「慈悲に聖道・浄土のかはりめ…

『『歎異抄』第三条 悪人成仏』 大峯顯

pub.hozokan.co.jp 大峯顯師の百華苑シリーズをまとめ買いしていたのを一気読みすることにした。 自分読書メモ。 ・最初三つの章 正直に言って自分には読みにくかった。後生の一大事系のお話。 ・「ただ念仏して」の意味 「ただ」についていろいろお聴聞して…

『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ・秋田喜美

『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ・秋田喜美 中公新書 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書) 作者:今井むつみ,秋田喜美 中央公論新社 Amazon タイトル買い。言葉を学習する人間(の赤ちゃん、幼児)に着目したオノ…

自分の読書を振り返る 『本を読む本』

『本を読む本』 M.J.アドラー C.V.ドーレン 本を読む本 (講談社学術文庫) 作者:J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン 講談社 Amazon Twitterの読書家の方がお薦めされていたので買ってみた。 本を読む側の技術についての本である。文系で大学…

布教。信仰。宗教。『侍』 遠藤周作

『侍』 遠藤周作 新潮文庫 侍(新潮文庫) 作者:遠藤周作 新潮社 Amazon 重たかった。今まで読んできた遠藤周作の信仰に関する小説に出てくる登場人物は、どちらかというとそれぞれの信仰、ある意味純粋なもののどうしようもなさみたいなところでぶつかり合…

『宗教への招待』大峯顯 

『宗教への招待』大峯顯 本願寺出版社 宗教への招待 作者:大峯顕 本願寺出版社 Amazon 友人に借りた大峯師の1995年前後の講録中心。 うーん、正直内容は晩年の大峯師のものとちょっとトーンが違うかなと感じている。とりわけ信心をいただくというところにつ…

会ってみたい・・・『明恵 夢を生きる』河合隼雄

『明恵 夢を生きる』河合隼雄 講談社+α文庫 明恵 夢を生きる (講談社+α文庫) 作者:河合隼雄 講談社 Amazon 割と明恵上人が好きでこちらもKindle Unlimitedであったので思わず読んでしまった。 この河合隼雄氏の受け取った明恵は高潔峻厳で超変わり者の求道…

『死に至る病』セーレン・キェルケゴール

『死に至る病』セーレン・キェルケゴール、鈴木祐丞(訳)講談社学術文庫 死に至る病 (講談社学術文庫) 作者:セーレン・キェルケゴール 講談社 Amazon 「わたしは絶望している」というのは本当には自分で言えない言葉だと思っていた。。しかしキェルケゴール…

『浄土教入門-法然上人とその門下の教学』浅井成海

『浄土教入門-法然上人とその門下の教学』浅井成海 本願寺出版社 浄土教入門-法然上人とその門下の教学- 作者:浅井成海 本願寺出版社 Amazon これ名著ではないか。 紙本は手に入らないけどKindleなら2,200円。 浅井成海師の法話は動画でしか見たことがな…

『源大夫』瀬川 環

『源大夫』瀬川環 源大夫 作者:瀬川環 Amazon 法話で紹介されていた漫画。『今昔物語』に出てくる悪人が救われていく話。 文章じゃない漫画ならではの表現力。生きた人間の躍動感が伝わってくる。 すごく短くて、あっという間に終わる。あっという間だ。自分…

普通の文章を読んでいるはずなのに・・・『時間と自己』木村敏

『時間と自己』木村敏 中公新書 時間と自己 (中公新書) 作者:木村敏 中央公論新社 Amazon タイトルを見て思い描いていた内容と違っていた。確かに精神病理を通して時間を考えているのだ。すごい。こんなことを考えている人間がいるんだ・・・というのが率直…