如是我我聞

仏教書、哲学書、お聴聞の記録をつけています。

『死に至る病』セーレン・キェルケゴール

『死に至る病』セーレン・キェルケゴール、鈴木祐丞(訳)講談社学術文庫 死に至る病 (講談社学術文庫) 作者:セーレン・キェルケゴール 講談社 Amazon 「わたしは絶望している」というのは本当には自分で言えない言葉だと思っていた。。しかしキェルケゴール…

『浄土教入門-法然上人とその門下の教学』浅井成海

『浄土教入門-法然上人とその門下の教学』浅井成海 本願寺出版社 浄土教入門-法然上人とその門下の教学- 作者:浅井成海 本願寺出版社 Amazon これ名著ではないか。 紙本は手に入らないけどKindleなら2,200円。 浅井成海師の法話は動画でしか見たことがな…

『源大夫』瀬川 環

『源大夫』瀬川環 源大夫 作者:瀬川環 Amazon 法話で紹介されていた漫画。『今昔物語』に出てくる悪人が救われていく話。 文章じゃない漫画ならではの表現力。生きた人間の躍動感が伝わってくる。 すごく短くて、あっという間に終わる。あっという間だ。自分…

普通の文章を読んでいるはずなのに・・・『時間と自己』木村敏

『時間と自己』木村敏 中公新書 時間と自己 (中公新書) 作者:木村敏 中央公論新社 Amazon タイトルを見て思い描いていた内容と違っていた。確かに精神病理を通して時間を考えているのだ。すごい。こんなことを考えている人間がいるんだ・・・というのが率直…

エロスについて語る哲学者たち『饗宴』プラトン

『饗宴』プラトン 光文社古典新訳文庫 饗宴 (光文社古典新訳文庫) 作者:プラトン 光文社 Amazon 以前の哲学おすすめリストにあったので素直に読んだら、哲学者が語るエロス(わりと少年愛)とは・・・というものだった。えっ。どゆことどゆこと?会社で読んだら…

自分という存在を科学的に『からだ・こころ・生命』木村敏

『からだ・こころ・生命』木村敏 講談社学術文庫 からだ・こころ・生命 (講談社学術文庫) 作者:木村 敏 講談社 Amazon 著者は精神病理学専門の方。タイトルの内容をこういう方が書かれるのか!という驚き。 いのちというのはなんだろうかというのが、宗教で…

長源寺 同朋学習会「無量寿経」(26)(瓜生崇師)

2022年12月8日(木)19:30~長源寺 同朋学習会「無量寿経」(26)瓜生崇師 shinshuhouwa.info 「二一 たとい我、仏を得んに、国の中の人天、ことごとく三十二大人の相を成満せずんば、正覚を取らじ。」(『無量寿経』上巻【真宗聖典】18ページ)三十二相:1…

対話するということ 『親鸞の世界』

『親鸞の世界』鈴木 大拙 (著), 金子 大榮 (著), 西谷 啓治 (著), 曽我 量深 (著) 真宗文庫 親鸞の世界 (真宗文庫) 作者:鈴木 大拙,金子 大榮,西谷 啓治,曽我 量深 真宗大谷派宗務所出版部 Amazon 鈴木 大拙、金子 大榮、曽我 量深の3人の対談の司会が西谷 …

アンリミのうちに読むべし!『ブッダ伝 生涯と思想』 中村元

『ブッダ伝 生涯と思想』 中村元 角川ソフィア文庫 ブッダ伝 生涯と思想 (角川ソフィア文庫) 作者:中村 元 KADOKAWA Amazon こちら紙本で買ったら1,100円だが今Kindle Unlimitedで読める! 内容は大家中村元氏の釈尊伝。これがまた原始仏教経典の引用をたく…

漫画と侮ることなかれ 『ヤンキーと住職』近藤丸

『ヤンキーと住職』近藤丸 KADOKAWA ヤンキーと住職 (コミックエッセイ) 作者:近藤丸 KADOKAWA Amazon あの『ヤンキーと住職』がKADOKAWAから紙本で出るとは!感慨深い。 luhana-enigma.hatenablog.com やはり近藤丸さんは富山県民であった(プロフィール参…

本光寺 歎異抄を読む(28)(瓜生崇師)

2023年1月9日(月)19:30~21:00『歎異抄を読む』28 第五条 本光寺 瓜生崇師 shinshuhouwa.info 第五条「親鸞は父母の孝養のためとて、一返にても念仏もうしたること、いまだそうらわず。そのゆえは、一切の有情は、みなもって世々生々の父母兄弟なり。い…

昼休みに会社のすみっこで泣いた 『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル

『夜と霧』 ヴィクトール・E・フランクル (著)池田香代子(訳) 夜と霧 新版 作者:ヴィクトール・E・フランクル みすず書房 Amazon ナチスドイツの収容所を生き延びたある心理学者の内面の記録。非常に客観的であるがそれゆえに残酷さが際立つように思う…

真宗に触れた人は注目!『真宗悪人伝』/井上見淳

『真宗悪人伝』 井上見淳 法藏館 真宗悪人伝 作者:井上 見淳 法蔵館 Amazon 浄土真宗本願寺派の出版社の出している『季刊せいてん』に連載されていたものとのこと。 世間一般の善悪というのとまた違った意味での「悪」人として真宗に触れていれば当然知って…

『本願海流』大峯顯

『本願海流』 大峯顯 本願寺出版 (絶版かな) 本願海流 作者:大峯顕 本願寺出版社 Amazon 友だちに借りて読んだ。 今まで読んだ本でも大峯師の「本願海流」という表現に惹きつけられていて、去来現(時間と存在の表現)と「煩悩のこほりとけ」と深さ、そし…

忘れられてゆく葬儀の姿 『土葬の村』高橋 繁行

『土葬の村』高橋 繁行 講談社現代新書 土葬の村 (講談社現代新書) 作者:高橋繁行 講談社 Amazon 2021年の講談社現代新書新刊。 自分は6年前に友だちの葬儀に出た以来、葬式に行っていない。法要は別として身内として参加しそれなりの記憶があるのは母方の祖…

本光寺 歎異抄を読む(27)(瓜生崇師)

2022年12月12日(月)19:30~21:00 『歎異抄を読む』27 第五条 本光寺 shinshuhouwa.info 「親鸞は父母の孝養のためとて、一返にても念仏もうしたること、いまだそうらわず。そのゆえは、一切の有情は、みなもって世々生々の父母兄弟なり。いずれもいずれも、…

宗教の独善性 『雨』サマセット・モーム

『雨』サマセット・モーム グーテンベルク21 雨 作者:サマセット・モーム グーテンベルク21 Amazon いろいろな哲学・宗教関係の著者の方が『雨』をすすめていたのでずっとリストに入っていた。 これは小説なのでネタバレにならないように書かなければい…

親鸞の信心世界の追体験 『親鸞』阿満利麿

『親鸞』阿満利麿 ちくま新書 親鸞 (ちくま新書) 作者:阿満 利麿 筑摩書房 Amazon 阿満氏の法然上人関連本がよかったのでこちらも読んでみる。なんとなくもやもやした感じがして最後まで読んだのだけど、あとがきまできてなるほどだった。 親鸞聖人の生涯や…

西田哲学の変遷を見た! 『西田幾多郎の生命哲学』檜垣立哉

『西田幾多郎の生命哲学』檜垣立哉 講談社選書メチエ 西田幾多郎の生命哲学 (講談社学術文庫) 作者:檜垣立哉 講談社 Amazon 西田幾多郎は『善の研究』がすごくよかった。絶対無に関する解説的な本も読んだのだけど、この本は西田幾多郎の語ることの変遷を田…

読む目的によるかな・・・ 『言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの』丸山圭三郎

『言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの』丸山圭三郎 講談社学術文庫 言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの (講談社学術文庫) 作者:丸山圭三郎 講談社 Amazon ソシュール研究の第一人者だった方の著書。30年前か。当時としては衝撃的な…

この重要性、知っておくべき! 『誓いの精神史 中世ヨーロッパの〈ことば〉と〈こころ〉』岩波敦子

『誓いの精神史 中世ヨーロッパの〈ことば〉と〈こころ〉』岩波敦子 講談社選書メチエ 誓いの精神史 中世ヨーロッパの〈ことば〉と〈こころ〉 (講談社選書メチエ) 作者:岩波敦子 講談社 Amazon 知的好奇心を刺激されまくった一冊! しらなかった。西洋におい…

これは著者がすごかった 『レヴィナス 無起源からの思考』斎藤慶典

『レヴィナス 無起源からの思考』斎藤慶典 講談社選書メチエ レヴィナス 無起源からの思考 (講談社選書メチエ) 作者:斎藤慶典 講談社 Amazon レヴィナスについて知りたくて読んだのだけど、わかったのはこの斎藤慶典さんの凄さだった・・・。いやほんとたまにこ…

光のイメージ 『親鸞和讃』を読む 「解脱の光輪きはもなし」 寺澤真琴師

2022年10月9日(日)『親鸞和讃』を読む 「解脱の光輪きはもなし」 寺澤真琴師 shinshuhouwa.info youtu.be 「解脱の光輪きわもなし光触かぶるものはみな有無をはなるとのべたまう平等覚に帰命せよ」(「讃阿弥陀仏偈和讃」3【真宗聖典】479ページ) 無辺光につ…

本光寺 歎異抄を読む(26)(瓜生崇師)

2022年11月14日(月)19:30~21:00『歎異抄を読む』26 第五条 本光寺 shinshuhouwa.info ちょっと第四条の復習。これもよかったので後で振り返って聞く(自分メモ)。第五条「親鸞は父母の孝養のためとて、一返にても念仏もうしたること、いまだそうらわず。…

政治じゃない人間的な視点 『精読 アレント『全体主義の起源』』牧野雅彦

『精読 アレント『全体主義の起源』』牧野雅彦 講談社選書メチエ 精読 アレント『全体主義の起源』 (講談社選書メチエ) 作者:牧野 雅彦 講談社 Amazon ハイデガーを読んだ後は、愛人であったハンナ・アーレントに行ってみようということで。『全体主義の起源…

すべての人にお薦め!『はじめての哲学』藤田正勝

『はじめての哲学 』藤田正勝 岩波ジュニア新書 はじめての哲学 (岩波ジュニア新書) 作者:藤田 正勝 岩波書店 Amazon Twitterの読書垢さんがこれ絶対読めっていう本をあげてくれってやっててそこに出てきた本。藤田正勝先生ではないか~!まさかの表紙イメー…

こんなこと考えてるんだ!『技術とは何だろうか 三つの講演 』ハイデガー

『技術とは何だろうか 三つの講演 』マルティン・ハイデガー (著), 森一郎 (編訳) 講談社学術文庫 技術とは何だろうか 三つの講演 (講談社学術文庫) 作者:マルティン・ハイデガー 講談社 Amazon 『存在と時間』を読んだ後にこれをよむと、そうそうハイデガー…

また読みたい 『存在と時間Ⅲ』ハイデガー

存在と時間III (中公クラシックス) 作者:ハイデガー 中央公論新社 Amazon とうとう読み切った。『存在と時間』は元々上下巻の予定で、今世に出ているのはいわゆる上巻部分のみで、ハイデガーは長きにわたって修正を重ねていったそうだ。 やっと!やっと時間…

浄土に生まれたいか、自分 「親鸞和讃」を読む 「浄土の大菩提心は」(1)瓜生崇師

2022年10月31日(月)19:30~ 真宗大谷派大津別院 『親鸞和讃』を読む ―浄土の大菩提心は(1)― 瓜生崇師 shinshuhouwa.info youtu.be 「浄土の大菩提心は 願作仏心をすすめしむ すなわち願作仏心を 度衆生心となづけたり」(正像末和讃19【真宗聖典】502ペ…

菩提心…「親鸞和讃」を読む 「浄土真宗に帰すれども」(2)瓜生崇師

2022年9月16日(金)19:30~ 真宗大谷派大津別院『親鸞和讃』を読む ―浄土真宗に帰すれども(2)― 瓜生崇師 shinshuhouwa.info youtu.be 【愚禿悲歎述懐】「浄土真宗に帰すれども 真実の心はありがたし 虚仮不実のわが身にて 清浄の心もさらになし」(『三帖…